
卵から育て、川に放つことができた稚魚は13匹。児童は飼育を通じて自然や命の大切さを学んだ。
高甫地域づくり推進委員会(村石明秀会長)と学校が協力する学社連携事業の一環で、約9年前から授業に取り組んでいる。
4年生は昨年11月、千曲川漁業協同組合の戸谷吉一さん(須坂市上八町)からヤマメの卵500匹を譲り受け、育て方などを教わりながら校内で飼育した。
400匹以上が卵からかえったが、4月の寒暖差などで数が減った。鮎川に架かる上橋のたもとで10人の委員が見守る中、児童は2人1組になって1匹ずつ川へ放った。
湯本真絆(まな)さんは「水替えをしたり掃除をしたり、がんばって育ててきた。お別れは悲しかったけどがんばって育ってほしい」。
大熊習介さんは「いなくなっちゃうのは寂しいけど、もっと大きく元気に育ってほしい」と願った。
これまで指導をしてきた戸谷さんは「必ずしも生きられるわけではない。川に入ると、さらに厳しい環境が待っている。子どもたちはヤマメを通じて命の大切さを学んでくれたと思う」と話した。